よくみえるってどういうこと?

あいかわらず誰の役にもたたないだろう日記

かっこいいバーをもとめて

スーパーいい年をして「バーでさっと飲む」に憧れ、数か月。

「いいですね~いきましょう!」この日は誕生月祝いで義妹がいかしたバー(料理もちゃんとしてる)に案内してくれた。

神泉のhone。雑誌でみつけ、メモするもおっかなくていけなかった店。あのへん最近流行ってるらしいよね。いまひとつ方向感覚がつかめないけれど。

毎週いくこともあるのに。前の部屋を決める際最後まで悩んだ地区なのに。生まれて初めて補導された区域なのに(これは違うか。夜中さまよってて、事情聴取。制服と場所が悪かった。ってことは1度じゃないわけだが、2度めも未成年で、なんとなく前科にはカウントせず現在に至る。親と担任が迎えにきてしばらく学校で早朝マラソンなどさせられた。おおらかな公立高校でよかったワ)。

義妹は流行に敏感な頑張り屋さんだが、私の上をいくうっかりもの。前夜、三茶の飲食店にiPhoneを置き忘れ、とりにいくも下北沢へ移動してたそうで。SE謎の大冒険。しかたない、追っかけて取り戻し予約時間のやや過ぎに入店と相成った。ひやひや、間一髪(出血を伴うケガあたりまでを指す)幸いにして致命傷には至らない、いかにも「自称ADHDの気配濃厚」な女の週末模様…。

さておき、おしゃれな店でした。おいしかったし。グラフィックデザイナー? 集団? が経営し、義妹の知人がレセプションパーリーで~なんてクールな会話がなされる横でニコニコするだけの自分は、そう、昔からこんな感じだった(帰宅後インスタみたら、数日前モデルがウェディングの二次会に貸切ったりしてんの。トーキョー)。

ひとりで飲みにこれそうな隙はなかったが(ことに1階の立ち飲みブースの垢ぬけぶりときたら年寄には)料理はおいしく、店員さんも感じよく、上り調子のオーラにあふれ、きらきらしていた。

イキがいいとはお世辞にもいえない中年ふたりは、笑いとばせる範囲の人生模様を語りあい、うまいうまいとバンバンおかわりし、よい時間をすごしたしだいである。

弟と彼女は編プロ時代からの仲なのだけれども、会社はとっくになくなり(弟の歴代勤務先、半分残ってんのかしら。その点、私は! 小学校から今まで所属した組織全部現存してるから。「潰れちまえ!」と願う会社ほどご健在の法則。憎まれっ子世に憚っちゃうわけよ)社長も鬼籍に入り。

我々が若者だったころの先輩の、けっこうな数にもう会えない…そんな年齢なのだ。

年代でいえば「世に離婚を考えたことがない夫婦などいない」話もおもしろかった。厳密にはおもしろいとはちょっと違うんだけど、騒いで届け出用紙かいたりしてるひとほど友だちの離婚に猛反対したりするとかさ。自分からしたら国境を越えた世界の話題なもんで「それぞれいろいろありましょうし」としかとらえようがないわけだが、かの地に住み続ける弟の伝聞への乗らなさが手に取るようにわかって。

「本当にあのひと、他人のことはどうでもいいんだなって。ひとつもきいてないし覚えてないんですよ、ラクでいいけど」「自分のこともわりとどうでもよさそうだもんね。自己中の変種よね」と、あきれ8割、褒め2割の会話をするなど。

あとはなんだろうな~「事務のつまらなさ」とか。つまらないよ、つまらないね~、あれ何十年もやるってマジお金でももらわないとやってらんないス、などなど。

おいしいものを求めるのは業が深いな、も。内臓と財布がそこそこ元気なうち、身の丈にあったかたちで親しむくらいでないと。なんとなく、いにしえのリュウムラカミみたいなムードを感じちゃった。格差、パラレル、きらびやかな悪夢みたいな。