1月の日記(2月も後半ですが)

1/1
2026年、元日。近所の神社に初詣にゆく。2年連続年末年始不調のため、神頼みだ(三が日のうちどこかへではいかんのかも、と心をいれかえて)。
午後は恒例の弟一家来訪。16歳のフルメイクに、おばちゃんなので「あまりやらんほうがかわいいのにな…」と考えるけれど、もちろん口にはしない。
1/2-1/3
母と浅草へ。星野リゾート経営の、シンプルで新しいホテルで一泊。眺めと浅草寺本殿まで至近なのがブラボーだった。
仲見世を通って本殿へお参りし(私だけ。81才はさすがに)おみくじを引き(小吉的な感じ)旗つけてた蕎麦屋でお昼…までは順調なれど、
大黒屋(高校時代以来。花やしきで友だちと古着のスーツ着てホンマタカシやHIROMIXの影響もろ出しの写真を撮りあった。時を経すぎて恥ずかしくもないわよ)は永遠に入店できなさそうな混雑のため断念。
とてもとても寒い夜で、行列に並ぶうち雪まで降ってきた。八甲田山。くやしいけれど、撤退も勇断なり。
1/12
母の誕生祝と称し(両親ともに元日生まれ)、アルカションでランチをごちそうする。親孝行プレイ。
私も前から気にかけていたところだが、ご近所のお友だちから薦められたという本人のオーダーで、あら~なんつって店主ご夫妻とめっちゃきゃっきゃやっていた。マダム臭。
本当にいいお店で、おいしく満足したけれど、午後は腹200%で一気に撃沈。満腹が体に悪いのをとうに知っているのに。コースはそりゃね…。
1/18
大学時代から細々続く(ありがたいよホント)男友だちと年一トーク会の日。年の瀬、私が寝込んでいたのでリスケのリベンジだ。
お互い10代は気が強かった話をしあう(そっちこそ!)。卒業後は双方社会から絶え間なく打たれ続けて、びくびくのよわよわが板についてしまったのも、同じく。
あのままも大恥だから、学びを得たともいえるが。
ギターやエフェクターの目もくらむ高騰は事実だそうで、服好きの私もだけど、愛する分野が投機の対象になるのは哀しい。
サークルのひとの子どもたちが大学卒業とかきいて、もはや老人と覚悟する。
1/25
サンデーナイトブッククラブ第1回。そう! 初夏あたりまで半年、今年も読書会に参加するのだ。今期は春樹にしばられず「小説」カテゴリーで。日曜夜、ビール飲みながら(私は飲めないが)。しゃれた企画ウ。
初回MCは店長シュウさんで、課題図書はトルーマン・カポーティの「無頭の鷹」。かっこいい。かっこいいことしかできないんだねこのひとは。
それはさておき、浅い読みでまったく冴えない自分に嫌気がさした。寒い夜、しょんぼり帰宅。
次回は「菜食主義者」だとな! メンバーの読書偏差値が高すぎておびえる。その日は参加微妙なのがさっそくつらい。ハン・ガンやりたかった…。
1/31
突然の「今月末で終了」宣言に、あわてて近所のレストランに予約をいれて母とでかけた。いきつけ、はいいすぎだけれど、年に何度かは訪れ、顔も名前も覚えてくださっていたお店である。さみしい。
夜は、電話で口もきけなくなるショックなニュースをきいた。自分が好きなひとも自分を好きなひともどんどん減っていく。
この喪失が長引き、2月の不調を呼ぶことになる…(続く)
プール通いも始めたの
2025年夏のトピックにはもうひとつ、「プール」があった。
首が出る、重い服に耐えられない、長時間歩けない(そもそもスピードが…)転びやすい。
めきめき頭角をあらわす、足腰の劣化。筋肉量の減少。老いを止めることは不可能でも、もう少しゆるやかになりゃしないかと。
シミしわ白髪みたいなところは嫌々受け入れる(しかない)として、努力でちょっとでもアレできる部分はと。
ラン、ホットヨガ、ピラティス、ちょっとしたダンスなどなど。得意不得意にかかわらず、同世代のみなさんはなにかしら対策を講じているようだ。
それに比べて。義務教育からスポーツが大嫌いな自分になにかしらポテンシャルがあるわけもなく、わずかな財産が刻一刻目減り、目も当てられない。
てなことは重々わかっているものの、高いお金をかけてどこかに出かけるis無理。
徒歩圏でお安く、いってもいかなくてもよく、そんな嫌いでもないスポーツって…水泳くらいかしら。泳ぐのもべつに好きじゃないけれども、走るとか持ち上げるとかみんな揃ってみたいなことを考えたら。
区民プール(温水・屋内)である。「おじいちゃんおばあちゃんばかりだから気づかいは無用」との情報を得て、よし。水着と水泳帽の準備だ。
興味ナッシングだった「水着」界(水泳帽に至っては)。令和の世にハイビスカスのビキニ的なものはほぼ存在せず、全体にシンプル、露出少なめ傾向…はいいのだが…いまいち乗り切れない。欲しいと思えるものがない。
素敵なそれはめっちゃ高いうえ到底似合いそうもなく(イタリアとかスペインとか顔もボディもかけ離れてるからよ)、逆に4000円とかいわれると、なにがどうなってんのか着用に抵抗を覚える。ちょうどいい塩梅がないわけよ~一般衣服と同じく~。
(アニエスbのストイックなやつが好印象だったけど、25m泳ぐカナくらいのひとが着るかっつう競泳み)
まあ涼しくなるころ出会えりゃいいさと長い目で探すうち、セール終わりにセレクトショップのサイトで「お」てなやつを発見した。
値段も想定内かつ常識的。ポチりました。
プール通いは荷物が大きく重く、身軽大好き人間にそもそも厳しい(やっすいビニールバッグも購入。思えばスーパー銭湯にすらいかない人生だった)。
帰りの荷は水分を含んでいっそうとんでもなくなり、なんなら姿勢が悪くなった気もするけれども、とにもかくにも月2目標、最低ツキイチ。水着代(約2万円)を利用料が越えるまではせめての気合で、すでに5回(たった)ほどいっている。
近所の子までつれたお母さん(おつかれさまです)や、浮き輪を両手につけた子どもをみるお父さん、さまざまな年代のぽっちゃりしたひと、安定の高齢者、とにかく泳ぎたい者など、あらゆる種類の「地味な面々」が集う場所に、監視員としてどえらい若者が混じる新鮮さ(高校生にみえるけど、ライフセーバーを目指す大学水泳部員とかなんだろうな~。めっちゃ若い子の数歳差などもはやわからん)、
そして、透明な水。無の境地で背泳ぎをしているときだけは「なんか…好きかも」と思う。
いまのところそれ以上でも以下でもない。これといった成果も出ていません。
(写真はすっかり冬へ向かう近隣の様子)
カレー(屋)の話

今夏、頻繁に通ったカレー屋がある。
週一でカレー屋、などいうほどではなかろうが、15年ぶりの(あのときもカレーだった…!)執心のため、残したい。
前回の行きつけは当時の勤務先近くにあり、ふわっと入ってそのおいしさに驚愕。女性2人でまわす居心地よさもあいまって通いだした。
調理担当のかたが小田原愛をしょっちゅう口にするので、つい「伯父が小田原高校出身で、母は城内です」と話したら(→出身者キラーフレーズ。小田高は小田原の誇り。城内は小田原出身女性の誇り。母は2年で都立高校に転校するのだが)
「うち、親族全員小田高か城内ですよ!」「鈴廣の悪口めっちゃいうのもなじみ深くて…。すみません横から」「いえいえうれしい~。地元ではみな嫌ってますから。もうひとつのほうがずっとおいしいし」と熱く返され、「会社帰りたくねえ~」「おつかれさまです。今日もかわいい恰好!」みたいな温度へ。あの地震以降不定休となり、ほどなく閉めてしまったのだけれど。
カレーの「好きさ」は大人平均レベルと思う。おいしきゃうれしいけれど、遠方に出向くとか行列に長時間並ぶまではちょっと。凝って作りもしない。レトルトでかまわない。飲み物とも考えない。
時を経て、そんな人間が「フォロー中の有名人(食通としてではない)がフォローする小さなカレー屋」に突然反応したのだ。
イイ予感しかない! 在宅勤務のお昼に…ともくろむも、クレイジーな暑さのせいで初回は夜。ものすご~く! おいしかった。
2度めには件の有名人(しつこい。世間的なそれではない)の夫のかた(写真家)が慣れた様子でカウンターにいらっしゃるのを目撃。ご近所だし、駅向こうにスタジオがあるそうだし、ご夫婦で愛用しているのかな、年齢を考えたらお子さんの友人かも、などと勝手に推察し(実際「お父さん~」と呼んでいた)小市民らしく興奮したものだ。
店主は若く、30になるかならないか。イケメンで細くて(フェスにいそうなラフでごじゃれた感じ)押しつけがましさが一切なく、年齢性別国籍の如何で接客が1㎜も変わらない。
尊い!! 反リベラル反教養の差別主義者が跋扈する異常気象(人災)の夏に、きちんとしたヤングが生存する頼もしさよ。
無口でもおしゃべりでもなく、流暢な英語を使い(旅行中のカップルにやさしいとか本当にぐっときちゃうんだから~)動物や赤子もウェルカム、レシピだってきけばばんばん公開する(KUFUが大好きらしくて7月は週替わりでメニューを展開。それ目当てに酷暑のさなか毎週通ったチョロい客の自分)。
ひとりで作ってひとりで供し、たてこんでも動じない(「あ、順番通りお出しするのでちょっと待っててくださ~い」くらいのテンション。それでいいじゃん世のピリピリ客も店も、と思う)。ディアンジェロが亡くなった折には一日中かけたりする面も。
全方位に徳が高い。バランスがとれている。
親御さんの育てかたと育ちかたに恵まれたの丸出し。やってくるお友だちもそろって上品で明るい若者だ。どんなにきゃっきゃしても不快な感じがしないところ、おばちゃんとしては拝みたい思い。
ってめちゃくちゃ褒めたけれども、好む理由は「ただただおいしいから」。
お店は生き物(お客側も)。いつまで「この感じ」が続くか、そもそも続けてくれるか、誰にもわからない。店主が修行した草枕の例もある。
単に今後も双方無理なく、自由に食べられたら幸いですよって話(夏より頻度がぐっと減った秋に。それも神の思し召し)。
望んだとき、おいしいカレーを食べにいけますように。
ぐったりするほど暑い夏

7、8月の思い出(…)
7/19(土)
めちゃくちゃ暑い日。春樹ブッククラブ同期が始めた書店の、植本一子さんご参加! 新刊「ここは安全安心な場所」読書会へ出向く。
5人+経営主2人+著者、というスモールすぎる規模のためかなり緊張していたが、オリジナルプリントに囲まれ笑う一子さんは終始おだやか、親切丁寧で。
経営者と参加者全員の賢さやさしさにも感服しまくりだった。
この場にたどり着くひとがそもそも選ばれし者なのだけれども、zine界隈で有名なかたがいたり(教えてもらった日記もおもしろかったな。いつかどこかで買いたい)本番も放課後も、著者抜きでも、興味深いトークが続き和気あいあい。
体力を消耗しきった我が身を包む温泉のようなヴァイブスに癒された。この場を築いた元メンとパートナーに尊敬と感謝再び。
7/26(土)
亡き母ゆみさんのスナック「想い出」(現実)二代目(設定)ママ、今日子さんがバーテンダー2名(本業は敏腕ビクター社員)を従えて、リクエストメール箱(三角くじ的な)に手を入れ引いた曲を次々歌いまくる夢の2時間だ。
スナックの内装、DAMカラオケ。お召し物は衣装部から。
本人曲は「あなたに会えてよかった」「スターダストメモリー」「ハートブレイカー」などなど。ミポリン、明菜ちゃん、もちろん聖子ちゃん、ピンクレディー、異邦人にラブイズオーバー。
キレキレのトークとともに、昭和の名曲が推しの声で届く。至高のファンミ。場内わしづかみ(押韻)。お客全員大興奮。当代随一の美人ママも冥利につきたろう。
立派な思い出迷子中年ながら、常日頃「昭和レトロに頼りすぎエンタメ」についてキモさを感じる者だけれど、こういうすこぶる健康的な内輪受けならば…とスカッとした。
20代の子がハッピ作ってコールを披露しており(じ~ん)小泉さんったらほろりとしつつも、すかさず「血も流す、ってのはよくない。平和が一番!」と鋭く批判されてさすがだった。そういうとこが本物なのよね~。
マジのほんとよ。命をかければ愛、ではない。終戦80年の夏。
8/1(金)
著しい体調悪化で医療機関の扉をノック、コロナ陽性の結果を得る。大ショック。5年逃亡した末のタイミング、てのがあまりに私らしく恨めしい。
発熱、悪寒、咳、関節痛、倦怠感、すさまじい喉の痛み。朝37度5分で…と口にしたとたん隔離、保険証のやりとりもビニール手袋越しだ。菌持ちを激しく自覚する。
しばしの在宅勤務を申し出て、月末月初の大量仕事をうめきながらやりとげた。高熱でも社会は待ってくれない。つらい。
入院時に顕著だが、私はじっとしているのが苦手で(孤独や無言長時間はわりと平気)「安静」が難しい。小さい天井をみつめ続けると発狂しそうになり、窓割って飛び出すタイプ(それだけの元気があればな)。
あらゆる方面から非常に厳しい1週間で、悲しみと無力感に打ちひしがれた。
年末のインフルエンザで寝込んだのもそう、病弱なんじゃよワシはそもそも、しかも、この先加齢でさらに弱っていく…。って、とっくに知ってた~、けど、喉元すぎれば。よくない。反省しきり。
忘れやすさといえば、出社再開のとき「いまごろ?」「さすが」などといじられ、勝手ながら激しくモヤった。
流行り病のたび激しい差別が起こり、あっけなく忘却する国民性。学ばなさスゴイ日本…!(憂国連発)
8/11(祝)
駒沢の書店つながりフレンズと学大ディナー(一子さんのときとは完全に違うメンツ。考えてみれば彼女あたりは完全に「読むひとは読む」枠なのよね。どれほどの読書家だって未踏の界隈はある。命短し、みな多忙)。
総勢4名。話してお酒飲んでご飯食べてでいうと、私にとってはけっこう「多め」なのだけれど、みなさん距離感や思いやりが最適最高のためノーストレス。
コロナで傷ついた心身の影響もあってか、いいひとたち…!! 出会いにKANSHA!! とチャクラが開いた状態で夜遅く帰宅する。
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毎日暑さとひととのつきあいについて悩み、疲弊するばかりの夏だった。
己のコミュ障を嘆き、内向に拍車がかかっていたが、ひとと場所を選べばという至極当たり前の結論へたどりついたような。
それでも孤独と暗さは続くけれど。暑さも、この後当分…(10月、さすがに涼しくはなってきたが。いやさ人災。波状で襲う人災。怒り。惨め。疑心暗鬼。恥。誇れないジャパン…!)
そして、私は私の芝を刈る

5/31(土)
ブッククラブ(17期)メンバーIさんが独立系書店を始め、ハルキ読書会を開催する(&安西水丸氏のイラスト展も開催中)ときき、「給田」へ。
てっきり、奥沢代沢深沢あたりと思い込み「いきます!」と即答したが、違った。田園都市線ではない、下北沢でもない、世田谷の遠さをひさしぶりに思い知らされる。冷たい雨風を浴びながら。
といいつつも、たどりつけば別天地。なにしろ書店のステートメントが「私たちはあらゆる差別をゆるしません」である。妻のかた(共同経営者)とは初対面だったけれど、知的で物腰柔らか、やさしく公平なふるまいに激しく打たれた私。親切っていいね(何度目)
Iさんの印象もずいぶん変わった。商社マン時代は多忙と職への疑いで満ち満ちていたのやもしれぬ。迎えてくれた笑顔は見たことないもので、びしょびしょのブルブル、2回バスを間違えた末、たどりついた自分はボロボロだったのに…差別しない心…
7名定員の内訳は、駒沢の書店主(MC)、Iさんとパートナー、同期メンバーMさん、駒沢がらみがほか3人、近隣住民(読書家)がひとり。
畳の部屋で、水丸氏の絵に囲まれ「午後の最後の芝生」について語り合い、コーヒーやビールを飲む贅沢。
みながハルキ礼賛ではないし、嫌悪100%でもない。感想も主張も違う。が、頭ごなしに他人の意見を否定しない。思うまま発言できる、安心安全な場の気持ちよさ。
元メンバーのMさんとの帰り道も新鮮だった。前からだけれど、誰にもなにに対しても、依存したり夢中にならないひとなのだ。多岐にわたって活動しつつ、目的が「自己の充実」に向いていない。人脈や利益を未来を目論まない。不思議なたたずまい。
5/28(水)6/5(木)
西麻布のギャラリーEMでの「Forever !!オリーブ少女 恩田義則写真展」へ、2週続けて出かけた。ただ「会期中もう1度いけるじゃん!」という思いで。
2回目は恩田さん在廊デーで(きゃー)少しだけおしゃべりもできた。当時のアシスタント男性(トリコロールのブロックチェックシャツ着用。タンタンか)が御大とのツーショットを撮ってくださるなど、冥途の土産フォルダも拡充。
写真がデータでなかったころ、質の高い雑誌を隔週で出し続けるのはどえらい労力を要したが(ほかにもマリクレとかいっぱいやってたからねえ→そうでした…!)同時にめちゃくちゃ楽しかったそうで。
モデルちゃんが喜んで帰ればOKとかね。未成年者を尊重し、消費しない、そんなパラダイスが実在するものか…と冷笑されそうだが、あったの。あのころには。オリーブはそういうものでしたから! うちらちゃんと受け取ってましたから!
元オリーブ少女らが、次々おかれたノートに熱い思いをぶつけていたのも好ましかった(見覚えある手書きフォント。日記や手紙を日々つづりまくった世代、湯水のごとく言葉が出ちゃうわけよ)。
自分は例のアレで無駄に意気込み、初回→アニエスのボーダー、2回目→エッフェル塔のTシャツ&キャッツアイのサングラス、で赴いたのだけれども、多くのかたはリネンの黒ロングワンピースに籠バッグ、てな感じでした。まあそうでしょう。
寄り道はショコラティエ・エリカ☆(個人的見解ですけれども「聖心インターナショナルに通い、放課後はエリカでおしゃべり」がオリーブ少女最強カードなので!→うるさい)
ティアもケリも、地球のどこかで中年になっているはずだ。
6/8(日)
給田で駒沢の書店主が(ややこしい)「来週末は学芸大学でブックテンダー(本とカクテルを提供する、バーテンダーならぬ)をやるので、ぜひ!」といっていたのを思い出して、出陣。はやりの高架下物件は大盛況だった。
駒沢や給田のお店は駅から遠いし、思慮深いひと向けっぽい高め敷居があるけれど、こちらはまったく。タイムアウト的クールシティー像に躊躇するかたは厳しいかもしれませんが、ふらっと寄れて、飲めて、本も探せる、端的にいかした場所と感じた(棚もよい)。
給田で会ったKさんをみつけ、軽くおしゃべりをして(本はなにを? お酒は?)ジントニックをオーダー。
『放課後の音符(キイノート)』よ。なつかしい「恋をすると喉が渇くの」ってやつ。「いいっすねえ!!」とカウンターの若者にも褒められ(?)ご満悦なり。
界隈から離れずいぶんたつが、最近オリーブづいていたのと(初出はかの雑誌連載。読者全員憧れたアンクレット、ミルという名の香水)これまたブッククラブメンバーだったプロのバーテンダー氏から「初めての店ならジントニックを頼みますね」ときいた、いつかの記憶による。
初夏の夜、水滴とライム、ビジュアルもぴったりだった。さすがエイミー…(2025年)
ちなみに、Kさんは忌野清志郎と岸本佐知子と穂村弘の大ファンだそうで。ブッククラブメンバーの特徴として、ハルキは心のベストテン第1位ではない、というのも挙げられよう。私もよ。
空に吸はれし
4月も終わるころ、3月のトピックを残す私…(盛岡旅行がベストメモリーなんだけど、かききれない&半分忘れているため割愛)
3/8(土)
弟一家プレゼンツの「おかあさん(おばあちゃん)お誕生日おめでとうランチ」に便乗。資生堂パーラーハラジュクにて。ま~素敵だった。
眺めがすばらしく、すべておいしく、クラシカルかつコンテンポラリー。各種しつらえも文句なし。もう少しおしゃれしてくればよかったワと思うもこの日は冷たい雨が降っており。
美味眼福は当然として、おもしろかったメモ。
ひとつめ。姪っ子がけだるくどうでもいい感じで、神宮の森を見下ろしながら「この間あそこで踊ったんだよね」とプロ(なかの人)発言をかまして「私だけが受けた」こと。
指先には代々木体育館である。かっこよ。「ダンス甲子園 中学生の部・東京代表決定戦」みたいなやつだったらしいけど、前月は横浜アリーナでダンスをしたとも。なかなか楽屋入れないでしょアリーナの。
中学入学時、英語のスピーチコンテストで「Kpopアイドルになりたい」と無邪気を通り越して親を心配させる野望を披露し、優勝した彼女。NGOが世界平和が地球温暖化がと述べるなか目新しかったのだろうけれども、その逸話にしびれた伯母は惚れ直すかっこう。荒唐無稽に思われた夢へ近づいているのがすごい。
ふたつめ。義妹からきいた「愛社精神」エピソード。
彼女はいま国産大手化粧品ブランドの広報的なところにいるのだが、「週末は資生堂パーラーでランチなの」と仲良しに話したら「私は飲食だろうがSHISEIDOに1円も落としたくない」ときっぱり返されたと。2025年そこまで帰属意識をもって労働できるって、なんだかうらやましい。いや、「うらやましい」まではないか。まぶしい、くらい?
むきだしの敵意にも理由はあって、そのひとはBAさん時代に伊勢丹のコスメフロア(天下一武道会ぽい響き…!)で資生堂の美容部員からそろっていばられ意地悪され、たいそうつらく悔しかった、というのだ。
目に浮かぶ。ディオールとかシャネルとかトムフォードには強く出られない「伝統ある」ドメブラ同士のにらみあい。弱いなかでの圧倒的強者によるハラスメント。社会やな。
「サントリーの社員が、サッポロ入れてる居酒屋に切れる的な。車なんかとくに乗れない乗らないとか」「長期間身を預ける会社に誇りもつって、健康にもよさそうだし」などとテキトーな感想を述べ合いつつ、「いや、でも~。会社でご飯の話すらできないのはきつい」とまとめた義妹。お洋服大好きだけど、ひとつのブランドに傾倒できない自分も禿同だった。
3/30(日)
東京ヴィンテージガールズ主催のブックフェス2日目。
前日、寒い雨のなか(だからこそか)降臨した小泉情報を受け「今日は来ないな」と気楽にヒカリエへ出向く。
蟹ブックス花田さんら独立系書店主の並ぶトークイベントを楽しく拝聴して、zineも買い、場内をぶらついていたらなんと。あの。
紅白歌手にして日本アカデミー賞受賞俳優にしてベストエッセイストにして大新聞の元書評委員にして(以下略)マイ人生ナンバーワンアイドルのキョンキョンが!「今日もかわいいじゃん(服装が)。ね、写真撮ってもいい?? あとでいいから」と、私に! 声をかけてくれたのだ(嘘と思うでしょ、15歳の自分も絶対信じない)。
事態の把握すら厳しかったものの、「キョンキョンの希望を私ごときが拒否できるわけない!!」の思いが強く「どひ~!」「ちょっとそれは」などと当然の本音は伝えつつ、「(お忙しいでしょうから)お望みならば、すぐでもかまいません…!」と姫に任せる(下僕スタイル)。
が。
「立って。ほらほら~」あの声でやさしく指示いただき恐縮&感謝至極なれど、硬い表情とへなちょこ姿勢がなかなか抜けないのだ。
40年トップスターを張っているひとの前で「うまいぐあいに立つ」なんて土台無理なのよ。
もとからだけど、本当~の本当~に「撮られる」って難しい!!!
変なのわかってるもん。どこみたらいいかもわかんないし。かばんはどうすれば? はりきりすぎはおかしいが、猫背もみっともない。そもそも水平保ててんの今、自分? ごたごたいってキョンキョンの手を煩わせる素人の中年(低身長)など、邪魔&謎の極みじゃない?? 絶望しかない。
(来場者にはさぞや不思議な光景に映ったろう。小泉今日子がカメラをかまえて座り込み、無名の女性を撮る図。誰あのひと…)
ぎこちなさが哀れを誘ったのか、続けてあの!(こればっかり)大スタイリストにして80年代のサブカルアイドル安野ともこさんが「もっと右に重心おいたら? 目線はこのへん(握りこぶし)カメラは無視して~」と。私、細野晴臣プロデュースのLPもってます!
つか、安野さんって満島ひかりとかミカコとか長澤まさみとかと年中仕事してるひとじゃん…消えたい…。
目を回しながら(キョンキョンのスマホに! 10秒後に削除されたとしても! 己の姿が記憶されるって! そんな未来!)取り急ぎ「やりおえて」ふらふら退場したしだいである。
あれは現実だったのか。喜び半分、吐きそうな疲労もたしかに覚えつつ、帰宅後は部屋着で松田青子さんのサイン本を読み、心を整えた。これが私の暮らし。
小泉さんは(のちネットをわかせたように)白い髪も隠さず、粋な加齢とは、を全世界につきつける美しいたたずまいでした。あまり記憶にないけど。
如月メモ
連日トークイベントに出かけた記録。
2/7(金)
「『戻れないけど、生きるのだ』刊行記念 ~サブカルと男らしさ、ロスジェネと死」、仕事終わりの初・蟹ブックス。
登壇者は、清田隆之さん、おぐらりゅうじさん、前田隆弘さん。それぞれのサブカルクロニクルをお話くださったのだが「文化系育ち、マスコミの世界で食べられるようになった男性」という共通項はあれど、「育った地域」「家庭環境」「進学先」「摂取した媒体」は当然違い。雑に括って失礼しました〜、が主な感想だった(ギリギリSNS前、ひとはそんな平たく成長できない)。
清田さんはB’zをききミスチルに傾倒し、中高男子校サッカー部。仲良しの趣味をノー批判でインストールし続け、早大一文入学後、読書歴のなさを恥じ一転カルチャーへ…みたいな話で、これってよくきくけど、本を読まずによく受かるよね。読まないくらいのほうが入試用の読解力はつくのかしら。
おぐらさんは治安最低地区育ち。自然な感じでギャルと毎日渋谷で遊んでいたため「女子とのふれあいガー」的ルサンチマンはなかったそう(なんならブルセラで稼いでもらってタワレコにいき古本を漁るなど。そこに女衒ぽさもなし)。マックで「むなしいよね」「来年うちらなにしてんのかな…」と語り合った思い出など、ナントカ亜美(曖昧)の小説のよう。「あのころはまるごと古本屋のビルがあって」にも反応した。あったね〜。ブルセラショップがひしめくさまなど夢より遠い記憶だ。
個人的に「語り」が染みたのは前田さん(このひとにきかれたらきっとなんでも話してしまうオーラやば…)。「地方都市から大阪の大学へ進学、福岡で働くも欲が高まって」上京。幼少期からエンタメ好きで趣味がよく、いちはやくSNSに食いつき、見出され、界隈の有名人になるも、見誤らない。うかれない。なんというか、落ち着きがほかのおふたりとまるで違っていた(優劣ではない)。どっしり。
(その手の「重み」について、全員が「砂鉄にはかなわない」「あいつはずっとあれでしょ、しかも年下。すごいよね〜」と言い合っていたのも印象深かった)
お三方ともジェンダーやホモソーシャルについて「己の優位性に早くから気づき、女性の話をきき、謙虚に学び」「目をそらさず、慎重に、細かく修正」、自覚も恥も反省も謝罪も厭わない姿勢はご存じのとおりで。
お題もその前提で設定されており、実際いやな気持ちには1秒たりともならなかったけれども。
ある瞬間から「迷い」や「心の動き」を仕事にして(膿も傷も残さず)都度ギャラもらえるって、とか考え出してしまった私。
イライラしてるのかな。まあ考えすぎなんですけどいつも。ぼんやりした暗い違和感が明日の伏線になるとはゆめゆめ思わず、帰宅したのだった。
2/8(土)
翌日は、柚木麻子×吉田恵里香「私たちは日本のドラマによって作られてきた」(前々日まで開始時間を勘違いしていたが間一髪、10時半に下北沢B&B着)。
柚木さんは信頼&尊敬してやまない小説家でずっと大大大好きだが、この日はなにしろ吉田さん狙い。
自分が去年どれだけ『虎に翼』を愛し励まされ、楽しみ、ときに絶望したか。あの物語をかいたひとの生身を拝みたいじゃないか!
しょっぱな、憲法14条を抱いて泣く寅ちゃんを「日本国憲法制定! 第一歩!」のイメージ画像ととらえる凡人の脳内想定を大幅に裏切り「悲しみの果て、大切なひとの死を受け入れ、自身のキャリアを封印して生き延び、ようやく手にした」「法曹界の女性ですら進捗を細かく把握できなかった」先の河原だ…とつきつける高い(⇔安い)たてつけの朝ドラ。
壁は次から次へと形を変え、何重にもあらわれ、幸せに始まり終わるひともいない。
ミソジニー小僧も、理解ある師も、背中をみて育った娘も、志をともにした学友もいつか離れ、老いる。被害者は被害者のままではない。先進性も古びる。
「(轟やよねさんなどについて)ギャップ萌えではなく<多面>であることを描きたかった」と語る吉田さん。<多面>といえば『あのこは貴族』を撮った岨手由貴子監督もはっきりそれを話していたっけ。物語を動かすためだけの人間をうみださないクリエイター魂。
史上最高点をたたき出した分野で、さらに完成度をあげるやりかたもあるけれど「はみ出す新しいものを自分は作りたい」とおっしゃっていたのも、めっちゃかっこよかった。
声を上げるのが難しければ(社会や組織、背景、個人の状況によっては、威勢よく口火を切るのが正解でないことも多々ある)「黙って、しれっと話を<その前>に戻すだけでいい」という教えにもひざでこぶしを作った。それが後輩たちへのアドバイスときき、さらに打たれた。
柚木さんも吉田さんも、これからまだまだご自分の道を拓き、戦い、楽しんで先へ進むひとだ。
と同時に。「後に続くもの」のことを常に考えている。
昨日会ったひとたちとは次元が違う、と思った。仕事を始めたときすでに、彼女らは自戒や省み界隈を卒業してたんじゃん! と(優劣ではない)。
彼らの仕事を好む気持ちに変わりはないし、「悪しき男性性」を揺らがす功績も理解している。そもそも無力な自分がなにを、とか考えだしたらサーセンオンリーなのだけれども。
弱い部分をみせたり、回り道をする時間が「職業人としての女性には認められづらい」不均衡さ。
最初から文句をいわせない作品を書いていたからこそ、おふたりはここにいる、いられるのだ、と思うと。
稀有な才能と不断の努力を持ち合わせなければ、打席にもたてないって。やだそれも、まんま『虎に翼』!!!
とかなんとかいってると永遠に続きそうなので、最後に。
柚木さんは、この日「よねさんコス(衣装は青木、メイクとヘアはママ友の方のアドバイス、あと3cm身長を高くするためシークレットシューズ着用)」で登場し、会場全員の心をかっさらった。
ひとこと目が「あほか」(!)、着席するなり「みんなア~『虎に翼』は好きかア~??」。
かっこよすぎた。仕事がスーパーできて、インテリでユーモアがあってやさしくチャーミングで。やばい。本気でまぶしかった。
才気とキャリアの伴う「颯爽」…それも寅ちゃんがめちゃくちゃ携えていたやつな。