よくみえるってどういうこと?

あいかわらず誰の役にもたたないだろう日記

そこは宮殿

誕生日は晴れがち。人生全般は雨模様でも。

今年も美しい秋晴れに恵まれた。くわえて日曜日。ありがたいことに友人のTさんが、な、な、なんと!憧れのパレスホテルでのアフタヌーンティーをごちそうしてくださったのだ。長生きはするもんじゃ&持つべきものは優しい友だち、である。

図書館で待ち合わせ…の予定が到着前に用事は終わったとの由、日比谷公園の噴水広場集合というド直球、芦川いづみ川口浩がでる映画のような幕開けに。

公園を抜けお堀沿いを歩き、スーパーかっこいい東京駅をすぎると(下々のものが売り買い、相続税支払いのため半分にして狭小住宅化…みたいなことのおきない地域の麗しさよ。秋の樹木の凛としたさまよ)

行く手に、ジャジャーン! 都内でもとりわけ品格があっておとなっぽい(個人のイメージです)パレスホテルのお出ましだ。やだ気おくれ~。入口も間違えちゃったわ。

入れば当然の5つ星ホスピタリティ、通されたフレンチレストランの素敵なこと。あたりを一望できる、とっておきの横並び席に案内された。

ナポレオン・ボナパルトでおなじみの凱旋門しかり。絶対的な権力者の肝入りで作られた大通り(向こうにわたることなどこれっぽっちも考慮されてないサイズ)。キロ単位で区画整備され、まっすぐ「どこか」へ通じる場所の、なんていうの、統治? 神っぽさ? 政権与党や大手広告代理店や4年に一度のスポーツの祭典など遠く突き放す威風堂々感に、窓越しで大コーフンする私(端的に美しい季節の強力な後ろ盾もあり)。

ちなみに、ホテルのドレスコードは「男性はジャケット着用」。おおかたの女性ならば「出勤するカッコ、に、もう一歩気合いれる感じ?」でOKなんだろうが、そのフレーズにめっちゃ頭を悩ませざるをえないカジュアル(というかトンチキ)すぎな自分は、前日おしゃれのプロに相談し、ローファー(ボサボでもNIKEでもない履物をとにかく持ちあわせないダメ人間)と、おとなしめのsacai&パールで参戦、

Tさんもいつもよりおめかししておられ「ネックレスは義母に借りたの~」ってなんだそのパレスに寄せた舞台裏話。無関係の自分まで浮かれるわ。彼より彼ママ≒義母に借りるってえのがまさにふさわしい空間ゆえに。

アラン・デュカス監修の最高級においしくも優雅なアフタヌーンティーは、ふだん削りに削られている自尊心をパテで補修してゆくような極上の誕生祝い。感謝深謝だけでなく、命の水をごくごく飲むかのごとしであった。アムリタ。

昼から夕刻への日の陰りも堪能。きらっきらの(本邦随一の)ビル群のイルミネーションを眺めながら、夜の日比谷へ戻る我々。

きれいだね~おいしかったね~。それ以上に満たされる事象ってありますか?? すばらしい日をサンキュー!