よくみえるってどういうこと?

あいかわらず誰の役にもたたないだろう日記

完璧な絵に似た

去年に続いて、今年も! 誕生祝いにTさんからパレスホテルのアフタヌーンティーをごちそうになった。11月のできごとですが。

ありがたいこっちゃ。言葉だけでうれしいのに、最高峰のアレじゃない?

前回も見惚れた皇居に隣するパレスの外観は質実剛健で、媚がない。変にアールきかせたり割り箸組み合わせたみたいな、ああいうのとは大違い。ホテル名の小ささにも名門の誇りを感じる。気品とは。

好みはそれぞれあれど、ここと帝国ホテルを虫唾が走るほど嫌なひとはいないのではないかと思う。なにしろ1階から最上階までが「ホテル」。いまどきの高級ホテルは途中までテナントが入っているなどよくわからない構造で(3年後どうなっているやら…)、客は直通でかなりの上階にいってチェックイン、みたいなスタイルが多く、古い人間(車寄せから白い手袋で案内&食事は断固サーブを希望など)にはちょっと。

パレスはその点(当たり前ながら)地続きで、入るなりとても広く明るく視界がひらけ(帝国の暗め展開もよいが)働くかたたちの笑顔、姿勢のよさ、はつらつとした発声など「一流」オーラがおしみなく出ている。本当に気持ちがいい。

この日は天候だけでなくお日柄もよろしかったようで、計3組の結婚式に遭遇。おじいちゃんおばあちゃん、学生時代からのお友だち、会社の上司や後輩、従妹に甥っ子姪っ子、しらないひとたちだけどみんなみんなおめでとう(婚姻まわりについては「やりたきゃなんでもやればいい」派の私。だからして! 性別出自でとやかくいわれ「できない」ひとが存在することも、するしないに他人が口出すことも、人権侵害と考えるわけですが)下見の若いカップルもちらほら出現、近頃お目にかかれぬ「未来」みたいなものにふれられた。未来…そんなもんが実際にあるのかはしりませんけれども。

当地では2か所でアフタヌーンティーを供していて、絵にかいたようなタワーのそれを皇居から日比谷まで一望できるフロアでいただく王道タイプと、ロビーフロアで石にみたてた漆の一点ものの(高級感半端ない)器の上、美術品のごとく並んだあれこれを目で楽しみつつ口に運ぶタイプ。去年は前者、今年は後者。どちらをチョイスするか心底悩んだ昨年が懐かしい。またこれるなんて。夢のようだ。ありがとう友人よ。

この日は「パレスとピアノの発表会(Tさんたらピアノも習い始めたのよ。正確には再開。何の進歩もない誰かと比べて…)に向けセットアップを作る! 生地はこれ~」)用にと仕立てた素敵なお召し物」の友に恥じぬよう「乙女美学校謝恩会でも着た」スーツ(ワンピースとジャケット型)で参加。親戚の結婚式で「かわいい~!!」と新妻に激しく褒められるなどいい思い出ばかりのお気に入りだが、これを買ったお店もとうに…

いや、凹んでる時間がもったいない。今日だけでもやさしくおだやかに。小さくて美しい食べ物たちを口にし、お茶を選んで味わい、楽しくおしゃべりしたあとは撮ったり撮られたり。すばらしいね、いいホテルは。たまにこういう場所へうんとおしゃれして出かけるってのはまさにハレ。9割が雨でもハレの日が待っていれば。

おかげで日比谷へ向かう道々も「大谷の犬のパーフェクトさ」をおおい讃えるなどして2人はごきげん!(異常な盛り上がりだった。他人の犬をああも。持てるひとは犬までもかと。欠けたることのなしと思えば。冷静に考えてもあのワンコ…色合い、黒く濡れた瞳、バランスのとれた体躯、おとなしくもやんちゃでもないふるまい、CGか!)(犬についての言及は人間を浄化するぜ)高いテンションのまま帰宅できた。

すばらしい日をサンキュー! 生きててよかったと思える時間がなによりの祝福だ。