よくみえるってどういうこと?

あいかわらず誰の役にもたたないだろう日記

あのひとが愛した

義妹と飯倉キャンティにいってきた。と慣れた感じを装ってみたが、たったの2度目。初回は今夏で「象の記憶」を読み、人生1回くらいおらもキャンティさいってみでえ…と思い。

私はギンガムチェックのクロスだけで1億点追加の人間なのだけれど、初回のカフェ部分にはクロスがなく、やっぱりレストランでなきゃ…つって再訪を決意(カフェも平日のド昼間からキャシー中島みたいな女性が「40年前より飲めなくなったよね~」とかいいつつワインがんがんあびてて痛快だったけど)。

遅れてごめんの9月生まれの義妹と11月に誕生した私の相互お祝いランチ、兼、明日から新しい職場に通う義妹の門出応援会、を当地にて開催する運びとなったのだ。

みてくださいよ、この赤いクロスのかわいさ! 実家にありそうな皿! 味もつくづく(いい意味で)「思い描いていた」まま。ワインを一杯ずついだたいて(良心価格)乾杯~おつかれ~。彼女が先月辞めた会社のあれこれをきく。

一方的な情報だから詳細は省くが(覚えてないし)衝撃だったのは「でね。まあこういう発言をするにはじゃっかん抵抗もあるんですけど、その陰険マンツーマン男、私(義妹)より背が低くて坊主だったんですよ。怖くないですか??」 え~~~~~~~~~~~~!

ないない、義妹より小さい成人男性って。よっぽど特殊な事情が。140cm台? なにかの病気かしら…気の毒…身長と人間の価値は無関係とはいえ。

「あの~おねえさん。繰り返しますけど、私、おねえさんより背高いんで。152cmですから」「ごめんね~、私は153cm!」キー! 盛ってないですか!150あるかないかでしょ、目線が明らかに下なんですけど! そらこっちのセリフ! という、世にもどうでもいいやりとりをしだして早20年。あまりにうるさいもんだからアナログの背比べをして「ん~…。おんなじおんなじ!(めんどくせ~)」と弟のジャッジが下り「もう黙れ」の空気をうんだ、まさにどんぐりな「チビ」同士の我々。よりちっさいって…あんた。

私が「ウーチャカだって153cmとかでしょ。140台はつらいだろうなあ一般人で」とつぶやけば「やだ、おねえさん、ウーチャカそんなにあると思ってます? ぜんぜんちっちゃいでしょあれは。じゃ岡村は?」「岡村は155cm(謎の断言)」「絶対ない!! ウーチャカも岡村も私より小さいです!」「んなわけッ」

どっちも誰もみたことないのに、だからこそか、この日一番のヒートアップトピックに。「ねえねえおねえさん、だったら郁弥は?」とかまできかれて(小柄有名人の引き出し多すぎだろ、義妹)「郁弥くんは162cm!」「きたポジティブシンキング~」とかなんとか。平和といえば平和、平たくいえばバカ、の会話を楽しんだしだい。

でもでも。暗い事件ばかりの世界で、年中求職中の女ふたりがひとときおいしい食事とお酒と愚にもつかないおしゃべりに興じたっていいじゃない!

信じられないことに義妹は職場でめちゃくちゃいじめられたのが初めてだそうで「おねえさんこれまでつらかったんだなって、やっとわかりました」などと微妙なマウンティングをかまされる始末…いや、理解していますよ。やさしさから出た言葉だってのは。

にしても。義妹と私は「うっかり人類選手権」でベスト(ワースト?)16入り確実レベルの同団体に所属する者、なめたがりに「みつけられて」なめられる人間とそうでない人間のラインはどこにひかれているのか。

身長に限らず「同じようなもん」だと思ってたけれども、考えてみればあっちは既婚&子持ち。女の大事業をやってのけているひととスルー&逃亡しっぱなしの人間は出る光線の色が違うのだろうか。それを察知する特殊能力が妖怪なめたがりには備わっているのだろうか。